山猫が見た世界

生息地域:東京、推定年齢:40歳前後、性別:オス

映画:「アースクエイク・バード(Earthquake Bird)」

Netflixオリジナル映画の本作。今年の東京国際映画祭で招待作品として上映されると聞いて、映画祭のチケットを入手して観に行ってきました。考えてみると、映画祭と名の付くイベントには参加したことが無く、東京国際映画祭に行くのも今回が初めて。上映会場の六本木ヒルズシネマにはあらゆる国籍の人が集まっていて、ちょっとした異国情緒が漂う中での映画鑑賞でした。

この作品自体も、非常に多国籍的。30年ほど前の少し懐かしい感じの日本で、日本に住スウェーデン人の女性が日本人男性と恋に落ち、そして奇妙な事件に巻き込まれるという物語です。今ほど世界の垣根が低くない時代を舞台にした異文化の交わりが重要な主題となっていて、日本人から見た欧米の文化に対する違和感、欧米人から見た日本文化の奇妙で神秘的な雰囲気といったものが混在することにより、良い意味で何とも不思議なテイストの作品に仕上がっています。

ウォッシュ・ウェストモアランド(Wash Westmoreland)監督は日本に留学していた経験があるそうで、舞台挨拶を見ると非常に人柄の良さそうな誠実そうな方でした。しかし、できた作品は非常にエッジのあるもので、少々意外でした。ところどころに猟奇的なシーンが入っていたりする点も含めて、ひょっとしたら、製作総指揮のリドリー・スコット(Ridley Scott)の志向が反映されているのかもしれませんね。

主演のアリシア・ヴィキャンデルAlicia Amanda Vikander)さんの日本語や演技は、正直、もうちょっと頑張ってほしいなと思いましたが、その一方で、相手の日本人男性役を演じたEXILENAOKIこと小林直己さんは素晴らしかったです。所謂イケメンではないと思うのですが、表情や仕草が非常に独特で味があり、英語での演技も、今やハリウッド映画の常連となっている渡辺謙さんよりも上手に感じました。これからどんどん活躍の場が広がっていく予感がします。