山猫が見た世界

生息地域:東京、推定年齢:40歳前後、性別:オス

映画:「ペンギン・ハイウェイ」

予告編を見て公開前から気になっていたのですが、公開している映画館が少なく、気がつけば徐々に上映回数も減ってきているようだったので、慌てて観に行ってきました。

小学校四年生のアオヤマ少年と、歯科医院にいるミステリアスな「お姉さん」。二人が住む海の無い街に、突如として大量のペンギンが現れて・・・というのが物語の設定。一応、お姉さんの謎とペンギンの謎を同時に追うアオヤマ少年の冒険譚が中心となっていますが、謎解きやアクションよりも、個々のキャラクターの関係性や心情を丁寧に追うことに主眼が置かれています。

主人公のアオヤマ少年は、自分が人よりも頭脳明晰であることを自負している、ちょっと普通とは言い難い小学生。自意識過剰なアオヤマ少年の目線に立つことで、舞台となる街が、新鮮なみずみずさに溢れながらもどこか滑稽な雰囲気の漂うパラレルワールドのように描かれているのが面白いところです。最後は、切ないけれども、とても爽やかな気分になれる、そんな後味の良い映画でした。

何となく若々しい感性で作られた映画だなあと思ったら、制作は新進気鋭の若手アニメーター達が立ち上げたスタジオコロリドで、監督の石田祐康氏は1988年生まれ、演出・キャラクターデザインの新井陽次郎氏が1989年生まれと、とにかく若い!

最近は自分よりも若い作家の書籍を読む機会も増えてきて、年をとってきたことを実感させられます。とは言え、若いクリエーターたちの活躍は大歓迎です。これからもスタジオコロリドは良い作品をどんどん作ってほしいです。